
「エコキュートで床暖房が使えるって聞いたけど、本当なの?」

「普通の床暖房と、何が違うんだろう?」

「光熱費が安くなるとか、嬉しいメリットがあるなら詳しく知りたい!」
エコキュートと床暖房を組み合わせて使うと光熱費がお得になりやすく、相性の良い設備です。エコキュートで床暖房を使う仕組みをはじめ、具体的なメリットとデメリットについて詳しく解説します。
エコキュートで床暖房を使う仕組み

床暖房は電気式と温水式の2種類があり、エコキュートと組み合わせて使用するのは「温水式床暖房」です。
- 電気式床暖房:床下の発熱線に電気を流して部屋を暖める
- 温水式床暖房:床下に設置した温水パイプ内に温水を循環させて暖める
エコキュートは、空気中の熱でお湯を沸かす「ヒートポンプ式」の給湯器です。最小限の電力で効率よくお湯を沸かせるため、温水を循環させる温水式床暖房との組み合わせで、光熱費を抑えながら足元からぽかぽかと暖める、快適な空間が叶います。
電気式床暖房との違い
電気式床暖房は発熱線に電気を通して発熱するため、使用中は常に電力を消費します。一方、温水式床暖房は沸かしたお湯を循環させて暖めるため、電気式床暖房と比べて消費電力も少ないです。
貯湯タンクにお湯を溜めるエコキュートは、都度沸かし直す必要がなく、ヒートポンプ式で消費電力も抑えられます。電力消費を抑えながら効率よく使える点で、エコキュートと温水式床暖房は非常に相性のよい設備です。
エコキュートで床暖房を使うメリット

エコキュートを使用中のご家庭に床暖房を設置するメリットとしては、以下の4つがあげられます。
- 電気代を抑えられる
- 空気が乾燥しにくい
- 作動音が気にならない
- 部屋を広々と使える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
電気代を抑えられる
エコキュートは多くの場合、電気料金の安い深夜電力を利用して1日分のお湯を沸かします。沸かしたお湯は貯湯タンクに溜められ、給湯のたびに水道水と混ぜて適温に調節してから供給される仕組みです。
温水式床暖房とエコキュートを組み合わせて使うなら、床暖房を使うたびにお湯を沸かす必要はありません。まとめて沸かしたお湯を循環させるため、通常の床暖房と比べて電気代を抑えられるのが大きなメリットです。
空気が乾燥しにくい
エアコンで温風を出し続けると空気が乾燥しやすくなるため、暖房と加湿器を同時に使うという話もよく聞かれます。床暖房は温風を使用せず、足元から直接空気を暖めていきますので、室内の空気が乾燥しにくいのも特徴です。
温風によってほこりが舞い上がることもないため、小さなお子様のいるご家庭やペットを飼っている方は、床暖房を検討してみるとよいでしょう。
作動音が気にならない
床暖房は、作動音が非常に静かな暖房設備。エアコンやストーブのようにモーターの音が気になることもないため、静かな環境で暖房を使いたい方にもおすすめです。
部屋を広々と使える
床暖房は必要な設備を床の下に埋め込むため、暖房の本体が邪魔にならず、部屋を広々と使えます。床に置くタイプの暖房だと、コンセントの配置やほこりなどの汚れも気になりますが、床暖房ならその心配がありません。
室内をすっきりと見せたい方や、余計なものを置きたくない方は、床暖房を検討してみましょう。
エコキュートで床暖房を使うデメリット

メリットに続いて、エコキュートで床暖房を使う4つのデメリットについて見ていきます。主なデメリットは、次の4つです。
- 初期費用が高い
- 暖まるまでに時間がかかる
- 限られたスペースの設置は不向き
- 定期的なメンテナンスが必要
エコキュートで床暖房を使うのは、メリットも多いですがデメリットも見逃せません。使いはじめてから後悔のないように、デメリットについても正しく把握しておきましょう。
初期費用が高い
エコキュートと温水式床暖房を同時に設置する場合は、初期費用が高額になりやすいです。あくまで目安ですが、エコキュートの設置にかかる費用は本体と工事費込みでおよそ50万円、温水式の床暖房を設置する場合、1畳あたりの工事費はおよそ5~8万円といわれています。
仮に温水式床暖房を6畳新設する場合の費用は、エコキュートと合わせて80万~90万円が目安です。
暖まるまでに時間がかかる
床下の温水パイプにお湯を循環させる温水式床暖房は、室内が暖まるまでに時間がかかります。寒冷地に住んでいるなど、できるだけ早く室内を暖めたい場合は、ガスを熱源に利用する床暖房や電気式床暖房の検討がおすすめです。
限られたスペースの設置は不向き
温水式床暖房は、床下に温水パネルを敷いて設置します。設置にはある程度のスペースが不可欠なため、キッチンの床面といった限られたエリアの設置は適していません。リビングやダイニングの床など、ある程度の広さが確保できる場所での設置を検討するとよいでしょう。
定期的なメンテナンスが必要
温水式床暖房を寒冷地で使用する場合、温水パイプ内の水分が凍結するのを防ぐために、水の代わりに「不凍液」を内部に循環させます。不凍液を内部に通す場合、3~5年を目安に交換が必要です。
数年に1度のメンテナンスですので、さほど気にならないケースも多いですが、気になる場合は電気式の床暖房といった他のタイプを選びましょう。
床暖房を使うならおすすめは多機能型エコキュート?

エコキュートは、「給湯・湯はり・床暖房」の3つの機能を備えた、多機能型エコキュートと呼ばれるタイプがあります。エコキュートと温水式床暖房を組み合わせて使う場合は、多機能型エコキュートの設置を検討しましょう。多機能型エコキュートなら、床暖房と給湯それぞれにお湯を供給できるので、床暖房を使用中でもお湯が使えます。
一方で、多機能型エコキュートは以下の注意点があります。
- 故障すると、床暖房と給湯の両方が使えなくなる
- 通常のエコキュートと比べてコストがかかる
床暖房を使う頻度が高くないのであれば、多機能型にこだわらずに、一般的なエコキュートを設置するのもおすすめ。メインの暖房機器として床暖房を想定しているなら、多機能型エコキュートを選ぶとよいでしょう。
エコキュートで床暖房を使うときのよくある質問
エコキュートと床暖房を組み合わせて使うときに、よく寄せられる2つの質問を紹介します。
エコキュートに床暖房は後付けできる?
現在使用中のエコキュートが、床暖房に対応した多機能型であれば、既存機種への後付けは可能です。もし床暖房の設備が備わっていない、一般的なエコキュートが設置されている場合は、多機能型エコキュートへの買い替えが必要になるでしょう。
築年数の経った住宅の場合、断熱性の低さからエコキュートと温水式床暖房の組み合わせでは十分な暖房効果が得られないこともあります。エコキュートの使用を重視する場合は、エコキュートとは別にヒートポンプ式床暖房を設置する方法も検討しましょう。
エコキュートと床暖房の設置に補助金は利用できる?
床暖房を使用するために、エコキュートを買い替える場合、条件次第で補助金を利用できます。利用できるのは「給湯省エネ2025事業」で、エコキュートを含む高効率給湯器の設置や買い替えが対象です。
最大で13万円の補助金が受け取れる可能性もありますので、ぜひこの機会に買い替えを検討してみましょう。エコキュートの補助金については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

エコキュートと床暖房を使って日常をもっと快適に

エコキュートと床暖房を利用すれば、光熱費を抑えながら足元から快適に室内を暖められます。空気を乾燥させにくい床暖房は室内を快適に保ち、「頭寒足熱」の暖め方は身体への負担も少ないといわれています。エコキュートと床暖房を上手に使って、日常を快適に過ごしましょう。
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